「天才という名の孤独」    

 

天才。それはあるひとつ、あるいは多数の分野において他の者よりも秀でた能力を持つ者に付く言葉。

他者より強く、他者より先に、他者より上へ…。そんな人の傲慢が作り出した醜くも魅力的な言葉である。

人はこの言葉に時としてあこがれ、時として憎しみを抱いた。

これは、そんな天才をめぐる物語…。

 

2112年…。

ある過去の漫画家はこの年に夢のようなロボットが誕生すると思い描いていた。

しかし、むなしくもその夢は叶わなかった。むしろその逆、人類はまた戦争へと歩み寄ろうとしていた。

環境問題が深刻化し、今や地球上の2/3は不毛の大地となり、作物は育たず、人々は飢えていた。

こうなった人間はもうとめようがない。

緑のある土地を求め再び銃を手にしようとしていた。

しかし未来には希望も残されていた。長い年月を経て国際協力の枠組みも確立され、地球はひとつの大きな組織を形成することに成功していた。それが地球政府である。

間違いなく人類が滅亡へと進む戦争を何とか食い止めたかった地球政府はある政策を考え出した。それが「プロジェクトX(仮称)」であった。残された食料生産の可能な地域から飢餓に苦しむ地域へ、地球全体に均等に食料がいきわたるように、という政策である。しかしこの政策はある理由によって頓挫することになった。

それは技術的な問題である。

確かに食料の量としては十分とはいえないもののなんとか人類が持ちこたえられる程度には確保できたのだが、それを輸送する手段がなかった。現在ある輸送手段ではコストと時間がかかりすぎた。

そこで新たな推進力の開発が進められた。そしてそれをついに完成させたのが今回の主人公である若き天才、ハカセであった。

ハカセは開発後、人知れずある島に移ってそこで3年間人類の動向を見ていた。ここでのハカセの世話をしていたのがハカセによって作られたアンドロイド、「R1」通称アルである。ハカセの開発によって人類は何とか戦争を回避することに成功した。それを見届けたハカセは冷凍睡眠(目覚めた後は一時的に記憶が消える)につく。この技術がいつかは戦争に使われることを危惧したからだ。

そしてそれから86年後、2201年。ハカセが再び目覚めるところから物語は始まる…。

 

 

 

ここは南の島の一室。上手はけ口のみ。上手にベッド。中央に机。また、いすが机と下手にそれぞれ二つづつおいてある。(いすは箱のようなものでもいい)

 

客電FO

音響FI(クラシック)

照明FI

 

ハカセ、ベッドに寝転がっている。

アル、いすCに座って下を向いてぐったりしている(電源が入っていない)。

 

ハカセ んっ…、あぁあ(あくび)。

 

ハカセ、起き上がりベッドのヘリに座る。しばらく頭を押さえたりかいたりしながら冷凍睡眠による不快感を取り払おうとする。

 

ハカセ そっか…。私は目覚めたのか…。

 

まだはっきりしない意識の中、ベッドを立っていすAに座る。まだ頭が痛い。机の上に置手紙。

 

ハカセ んっ?洗濯してきます…。ふんん…。(置手紙を机に戻しまた頭に手をやる)んっ?(ふと思いもう一度置手紙を手に取る)洗濯してきます?んんっ??

 

モナミ、登場

 

モナミ あっ、お目覚めですか。おはようございます、ハカセ。お加減はいかがでしょうか?

 

少しの沈黙

 

ハカセ 誰あんた?

モナミ あぁ、申し遅れました。無断で侵入したことをお許しください。私、サニー社製アンドロイド、最新2201年モデル、半永久稼動可能窒素乾電池、および新開発自動学習型増殖可能CPUを搭載した、mon-ami0013です。

ハカセ …。は?

モナミ ですから、今年2201年に発表された半永久稼動可能窒素乾電池および新開発・・・。

ハカセ そうじゃなくて!あぁもう。わけのわからないところが多すぎる。

モナミ 恐縮です。

ハカセ 褒めてない!!あぁ!とにかくひとつずつ質問していくからわかりやすく答えてくれよ。

モナミ かしこまりました。

ハカセ まず、今は何年何月何日だ?

モナミ はい、本日は西暦214193日、地球が誕生したときから数えますとこれは概数ではありますが約2500億年ほど…。

ハカセ 余計なことをしゃべるな!…。2201年…。俺が冷凍睡眠に入ったのが2115年だから…。

モナミ はい。ハカセは86年間眠っておられました。

ハカセ そういえば俺は地下の冷凍睡眠カプセルに入っていたはず。なのにいったいなんでこんなところに…。

モナミ 私がハカセをこちらまでお運びして差し上げました。

ハカセ なぜそんなことを?

モナミ 凍りづけになって寝苦しそうだったので…。

ハカセ 寝苦しいも何も冷凍睡眠なんだからそんなことあるわけないでしょ?

モナミ そうですか?

ハカセ 「そうですか」ってお前…。あれ?でもなんで俺冷凍睡眠なんかしたんだっけ?

モナミ フッ…。

ハカセ フッて何さ!

モナミ これだから昔の人は困ります。

ハカセ 昔の人いうな。

モナミ 失礼しました。ですがハカセ、大丈夫です、ご安心ください。

ハカセ どういうこと?

モナミ それは旧式の冷凍睡眠カプセルを使用した場合によく見られる症状で、一時的な記憶障害です。旧式の冷凍睡眠カプセルは瞬時に体を冷凍することだけを考えていたので、後でそれがどのような事態を引き起こすのかなどは考えていなかったのです。

    でもあなたは自分の名前を覚えているでしょ?

ハカセ あぁ、トミー・フレミングだ。

モナミ 誕生日は?

ハカセ 2087717日。

モナミ 好きなアニメは?

ハカセ キューティーハニー。

モナミ 必殺技は?

ハカセ ハニーフラッシュ…。ってなに言わせんだよ!

モナミ でも覚えているでしょ?

ハカセ ん…。まぁな。

モナミ これが冷凍睡眠カプセルでの記憶障害の特徴です。一般的には冷凍睡眠に入る前の5年間ほどの記憶が一時的にあやふやになるといわれています。これは「メモリーズオフ」とほぼ同じ原理で起こります。

ハカセ メモリーズオフ?

モナミ ハカセともあろう人がメモリーズオフも知らないのですか?

ハカセ 生物が苦手だったから物理に逃げたんだ!

モナミ そういう裏事情ですか…。

ハカセ いや別に裏ではない。

モナミ メモリーズオフとは体が無意識のうちに思い出したくない記憶を消すことです。具体的にはカンナビノイドという物質を脳内で発生させて記憶を作るグルタミン酸の働きを阻害するということです。

    これと同じことが、旧式の冷凍睡眠カプセルを使用すると起こるのです。

ハカセ よくわからんが…。どのくらいで戻るんだ?

モナミ ほとんどの場合、ふとしたきっかけですぐに元通りに戻ります。

ハカセ きっかけ?

モナミ その記憶に関するキーワードのようなものです。ですが逆に無理やり思い出そうとしたりすると、脳内で記憶が壊れてしまうことがあります。

ハカセ なるほど。気長に待つしかないのか…。で、お前は何者なんだ?言っておくがお前のスペックを聞いているのではないからな。お前は何者かと聞いているんだ。

モナミ う〜ん、しいて言いますなら通りすがりのちりめん問屋といったところでしょうか。

ハカセ いや、わけがわからん。

モナミ 冗談です。ただ、あなたにお使いしたく思い参上したしだいでございます。

ハカセ ?なぜそんなことを?それでお前に何の利益がある?

モナミ 知的好奇心というものです。あなたがなぜここにいるのかが知りたい、これでは理由になりませんか?

ハカセ どうも腑に落ちない。

モナミ ご迷惑はかけません。洗濯も掃除も、お食事の用意もできます。どうかおそばにおいてはいただけないでしょうか…。

ハカセ (少し悩んで)わかった。一人の科学者として未来のアンドロイドのお前の体にも興味がある。よろしくな、えっと…。

モナミ mon-ami0013。人々は私をモナミと呼びます。

ハカセ モナミか。いい名だな。よろしく。

モナミ こちらこそよろしくお願いいたします。

ハカセ じゃあ早速だけど服脱いでくれる?

モナミ えっ?

ハカセ 君の内部構造見せてよ。ね?

モナミ ねってそんな、急に言われても…。ちょ、ちょっとやめてくださいよ。

ハカセ いいじゃんか、ちょっとだけ。

モナミ イヤですよ、やめてください。

 

ベッドのほうでふたりがもみ合っている。

アルが突然立つがせりふを言うまで二人は気づかない。

 

アル  マスターの起床、および生命反応を確認。自動起動ルーチンに入ります。60秒後に各可動部分のチェックルーチンに入ります。手動でチェックを行う場合はF2キーを、起動を強制終了する場合にはF3キーを6秒長押ししてください。

モナミ な、何が起こってるんですか?というより、もしかしてこいつ…。アンドロイドですか?

ハカセ う〜ん、思い出せない。まぁ、見たところアンドロイドだけどな。

アル  OSの起動を完了。各可動部分のチェックルーチンに入ります。

 

アル、ロボットっぽい動き

あるいは

右手を上げて「右手よーし!」

左手を上げて「左手よーし!」

とかやって最後にシコ踏んで終わり。

 

アル  全システムの正常動作を確認。通常の作業に入ります。

 

アル、身震い、しばらく停止。

 

モナミ とまっちゃいましたよ?

ハカセ いや俺に言われても…。

アル  マスター、おはようございます。

モナミ 動いた!

ハカセ あぁ。おはよう。君はいったい…。

アル  はい。朝食ですね。少々お待ちください。今日のメニューはハニートーストとカフェオレです。

 

アル、はける。

 

ハカセ 思い出した…。

モナミ 何をですか?

ハカセ やつは俺の作ったアンドロイドだ…。

モナミ えっ?

ハカセ R1…。そうだ…アルだ…。

モナミ アル?

ハカセ ここに来て一人暮らし。少々不便な生活だったんでな。専門ではないんだがアンドロイドを作ったんだ。OSなんかはみんな市販のものを利用した簡単なものだがな。

モナミ windows…。

ハカセ Meな。

モナミ でも何で思い出せたんでしょうか?

ハカセ それは…。

 

アル、登場。

 

アル  お待たせしました、マスター。朝食の用意ができました。

ハカセ ありがとう。この、蜂蜜まみれのハニートーストだ。噛めば噛むほど歯が痛いほど甘みがあふれ出てくる…。

モナミ …。

アル  洗濯をしてきます。

 

アル、はける。

 

モナミ あっ、洗濯なら私が…。いってしまった。ハカセ、作り直しましょうか?

ハカセ いや、慣れればこのにごったようなカフェオレもなかなかのものさ。やつには300以上のレシピを組み込んだはずだったんだがな…。

モナミ まさか毎日それですか?

ハカセ まぁな。でもなんかかわいくてな。一生懸命で。自分で作った機械に愛着がわくなんておかしい話だな。

モナミ いえ、いい科学者の証拠ではないでしょうか。

 

アル、登場。

 

アル  洗濯が終わりました。

ハカセ 早っ!

モナミ 私がやったのをさも自分がやったかのように胸を張っていうのはやめてください。

 

アル、いすBに座りながら

 

アル  マスター、おなかが空きました。

モナミ っ!あなたっ!それでもアンドロイドですか!なぜあなたがマスターであるハカセに命令するのですか!?しかもとおまわしな表現で。

ハカセ あぁ、いいんだ。俺ちょっと地下いってとってくるよ。

 

ハカセ、はける。

 

モナミ またとまってるし。なぜハカセはあなたのようなポンコツを大事にしているんだろう。89年前にだって少なくともあなたより使えるアンドロイドだってあったはずなのに。それにハカセは「プロジェクトX」で膨大な富を得たはず。なぜ…。

    それに私は何をしているのだろう。急がなければいけないのに。どうすれば…。

 

ハカセ、登場。

 

ハカセ お待たせ。はい、アル。

アル  ありがとうございますマスター。

 

ハカセ、ポリタンクみたいのをあるに渡す。

アル、飲み続ける。

 

モナミ ハカセ、アルのほかに思い出したことはないのですか?

ハカセ うん、今のところは。まぁそんなに急がなくてもいいじゃないか。君もここにいてくれることだしさ。

モナミ ですが…。

ハカセ なんか急がなきゃいけない理由があるのかい?

モナミ いえ、別に…。

ハカセ そういえば今世界はどうなっているんだい?

モナミ えっ?

ハカセ 俺が覚えてるのは、2112年にEUがヨーロッパ条約機構を作ってまだ土地の残っているアジア地域に戦争を吹っかけようとしてるとこまでだけど…。

モナミ あぁ…。えぇ、まぁそうですけど。戦争は地球政府の尽力によって回避されました。

ハカセ あの腰の重い地球政府がねぇ…。

モナミ 今は平和そのものです。月や火星への移住ももう当たり前のように進んでますし。

ハカセ そうか。まぁ100年近く眠ってたんだ。そのくらいのことはありえるよな。でも、なんだか悲しいな。技術に取り残されてしまった。昔の最先端も今じゃおもちゃ程度か…。

モナミ その心配はありません。ハカセならきっとすぐに追いつけますよ。

ハカセ そうかな?時代の壁は厚いぞ。

モナミ そんなことはありません。ハカセの頭脳はいつの時代でも通用しますよ。

ハカセ ははっ。おだてたって何もでないよ。

モナミ そんなつもりじゃ…。

ハカセ ははは。わかってるよ。

 

アル、立ち上がる。

 

アル  掃除をします。

 

アル、おもむろに雑巾を取り出し掃除を開始。

 

モナミ あれは…。

ハカセ いいのいいの。あいつの好きにやらしておけばさ。それに見てると結構面白いんだよ。

モナミ 博士は優しいのですね。

ハカセ ずぼらなだけさ。

モナミ ははは。

ハカセ ははは。

 

SE 上空を通り過ぎるミサイルの音。

可能なら一瞬照明に色。

アル、ショートして壊れる。

モナミ、システムダウン。

 

ハカセ 何が起こったんだ…。あっ、モナミ、アル!どういうことだ…。

モナミ 亜光速エンジンの重力場によってシステムに異常発生。再起動します。

ハカセ 亜光速エンジン…。待てよ、今の音どこかで…。

 

できれば映像。フラッシュバックみたいな感じで研究シーンをパパッと映す。やらせてくれれば俺が作る。

 

ハカセ 今のは、俺が作ったんだ…。

モナミ 再起動完了。通常の動作に入ります。

    あっ、ハカセ!大丈夫ですか…。

ハカセ なぁ、モナミ…。今のはいったいなんだ…。

モナミ え、えっと…。

ハカセ 輸送船か?

モナミ !!!。ハカセ、記憶が…。

ハカセ 本当のことを教えてくれ…。輸送船なのか?

モナミ …。いえ、確証はありませんが92%の確率で亜光速エンジンを搭載したM8長距離ミサイルです…。

ハカセ モナミ、さっきお前は世界は平和だといっていたな…。

モナミ はい…。

ハカセ 平和な世界でミサイルは飛び交うものなのか?

モナミ いいえ…。

ハカセ なぜ嘘をついた!!

 

ハカセ、モナミに食ってかかる。

 

モナミ ハカセに、刺激を与えないようにするためです…。

ハカセ どういうことだ?

モナミ ハカセの記憶を無理に引き出そうとして壊さないようにするためです。

ハカセ そんなこと、お前に何の関係がある。お前はいったい何者なんだ!!答えろ!!!

 

モナミ、博士から離れて

 

モナミ 私は…。私はヨーロッパ条約機構の要請であなたを本部のあるスイスまでお連れするために参りました。

ハカセ ヨーロッパ条約機構は解体されたはずだぞ?

モナミ 4年前、再び条約が結ばれました。

ハカセ 何のためヨーロッパ条約機構には俺を必要とする。

モナミ 戦争なんですよ!!戦争なんですよ…。

 

ハカセ、ひざから崩れる。

 

ハカセ やっぱり、作っちゃいけなかったんだ。人間はいつもこうだ。どんなにすばらしい技術も自分の欲を満たすために使おうとする…。やっぱり、作っちゃいけなかったんだ。

モナミ わかっていたならなぜ作るのをやめなかったんですか。

ハカセ しょうがなかったんだ。あの時は…。もしあの時亜光速エンジンを作らなければ人類は戦争で壊滅していた。

モナミ でも結局、人間はまた戦争を始めた。

ハカセ ちくしょう、わかっていたのに。わかっていたから、とめる責任が俺にはあると思っていたのに…。

モナミ ヨーロッパはすでに壊滅状態です。ハカセのお力が必要なのです。あなたなら、亜光速エンジンを作ったあなたなら、きっとあのミサイルに対抗できる兵器が作れます。

ハカセ 俺に兵器を作れというのか?ただ人を殺すためだけの機械を作れというのか?

モナミ 戦争なんです。仕方がないんです。

ハカセ 仕方がない…。そんな簡単に人を殺すのかよ…。

モナミ やらなければやられます。

ハカセ そうやって殺されては殺し、またやられればやり返す。

モナミ …。

ハカセ そんなの俺は認めない。そんな世界を生かすために、俺は亜光速エンジンを開発したわけじゃない!

モナミ あなたの考えがどうであろうと、私はあなたをスイスへ連れてかえらねばなりません。

ハカセ なぜそこまでする?

モナミ それが、私の仕事だからです。

ハカセ それが本当に正しいのかよ?

モナミ 私の意志は関係ありません。私はただのアンドロイドにしか過ぎません。

ハカセ そうか、だったらお前をよこしたやつらに伝えておけ、俺は戦争の道具を作る気はないと。

モナミ それでは困ります。私に仕事をさせてください。

ハカセ 俺が行ったらまたたくさんの人が死ぬことになるんだろ?

モナミ 私には関係ないことです。

ハカセ じゃあお前の意見を聞かせてくれ。お前はどう思うんだ?

モナミ …。もし、自分に仕事がないとしたら私はあなたに協力します。私が考える限り、この戦争をとめられる方法があるとすれば、あなたに頼るしかありません。

ハカセ だったら、協力してくれないか?

モナミ 私には仕事があります。

ハカセ はぁ…。

 

ハカセ、アルに歩み寄り抱きかかえベッドへ

 

ハカセ じゃあ、もし俺がお前について行ったらどうなる?

モナミ 戦争は激化し、結果的にどちらかの勢力は全滅します。あなたがこちらに加わることにより私達の勢力が優勢に戦争を進められることは明白です。ですが勝てたとしても、疲弊しきった人類に未来はないでしょう。

ハカセ それでいいのかよ。

モナミ いいわけはありません。人間がいてのアンドロイドですから。

 

ハカセ、 出て行こうとする。

 

モナミ どちらへ行かれるのですか?

ハカセ こんなところで油を売っている暇はない。一刻も早く戦争をとめる手段を考えなければ…。

モナミ あなた一人で何ができるというのです?

ハカセ 何もしないで人を殺す機械を作らされるなら一人でやったほうがましだ。

モナミ 私は仕事失敗ですか…。

ハカセ じゃあな。

 

ハカセ、はける。

モナミ、アルに話しかけるように。

 

モナミ なんで人間は争うのだろう…。争わなければみんな幸せに生きていけるのに…。いやな世の中だね。

 

終わり。